「いまの会社を辞めたいけど、もしブラック企業に当たってしまったら…」
「ブラック企業の見分け方がわかれば、安心して転職できるのにな」
自分が持つスキルや経歴によほどの自信がない限り、転職活動に不安を覚えてしまう方は多いのではないでしょうか。
日本では、まだまだ終身雇用的な考えが根付いており、転職に対して強い抵抗感を抱く方達が多くいます。
転職回数が多ければ多いほど、採用担当者からは避けられやすくなるため、気軽にチャレンジできる環境ではないですよね。
せめて、ブラック企業の見分け方だけでも分かれば、余裕をもって転職活動に臨めるのにと感じている方は多いはずです。
※ブラック企業については明確な定義が存在しておらず、判断基準は人よって異なります。この記事内におけるブラック企業とは、法律を守らず、劣悪な環境・状況で従業員を働かせるような企業と定義しています。 |
実は、違法な長時間労働や残業代の未払い、パワハラやセクハラが横行しているなど、働きにくい職場の兆しは、求人票または面接時や契約時に掴むことができます。
この記事では、ブラック企業を見抜くポイントやホワイト企業に多い特徴、求人探しをする際の注意点などについて詳しく解説します。
目次
ブラック企業を見抜くための7つのポイント
転職活動時にブラック企業であることを見抜けず、劣悪な環境の会社に入社してしまう人が多くいます。
ブラック企業が求職者にバレないよう上手く隠しているのだから、見抜けなくても仕方ないと思うかもしれません。
ですが、確認すべきポイントさえ知っていれば、意外と見抜くのは簡単です。この項目で、ブラック企業に騙されないように、確認すべきポイントを身につけましょう。
企業名でエゴサーチをする
現在では、色々な方がブログやSNSなどを使って情報発信を行っているため、企業名でエゴサーチするだけで、かなりの情報が集まります。
まず、チェックしてほしいのが、検索窓に企業名を入力したときの予測ワードです。
予測ワードは入力した文字から候補を表示してくれる機能ですが、自身が過去に検索したKWのほかに、他ユーザーがよく検索しているKWも表示してくれます。
もし、ブラックや過労死といったネガティブなKWが候補として出てきたら、そのような検索をしている方が多いということです。
また「企業名+ブラック」「企業名+労基」などと、検索してみてもよいでしょう。
もし問題がある会社なら、以前に労働基準法違反などで取り上げられた際のニュース記事が出てくるはずです。
ただし、意図的にネガティブな予測ワードが表示されているケースもあるので、注意が必要です。
口コミサイトを確認する
「カイシャの評判」「OpenWork(旧Vorkers)」などの口コミサイトで、評判を確認するのもブラック企業を見抜く上では有効です。
口コミサイトだと誰でも投稿できてしまうため、信ぴょう性に不安があると感じるかもしれないですが、きちんと対策が行われています。
例えば、OpenWorkでは会員登録をしていないと口コミができません。
登録の際には氏名や住所、生年月日などの記入も必須ですので、不用意な投稿ができないのです(事実無根の口コミで会社の評判を落とすようなことがあれば、損害賠償請求をされる可能性があります)。
そのため、基本的に口コミの内容には信ぴょう性があり、かつ、実際に働いていた方が投稿しているため、有益な情報が得られます。
しかし、日本ではまだまだネガティブな転職が多いので、批判的な内容が投稿されやすいという点は意識しておきましょう。
就職四季報で有給休暇の消化率をチェックする
知名度がある会社なら、就職四季報を確認してもよいでしょう。
就職四季報は、東洋経済新報社が年に一度発行している書籍で、就活生向けのものではありますが、転職活動にも役立つ情報が載っています。
【就職四季報に記載がある情報】
- 3年後離職率
- 平均勤続年数
- ボーナス年額
- 月平均残業時間
- 有休消化年平均
特に注目してほしいのが、有休消化年平均です。
ブラック企業と呼ばれる企業では、まず従業員を休ませません。そのため、必然的に有休が消化されずに余ることとなり、年平均の日数は少なくなります。
離職率や勤続年数、残業時間もブラック度を計るのに参考になりますが、誤魔化しやすい数値でもあるので注意してください。
求人情報の記載内容があいまいである・良い言葉ばかり並んでいる
求人票の内容があいまいになっている・良い言葉ばかり並んでいる会社は、人が集まらないために、わざとぼかしている可能性があるので注意が必要です。
例えば、以下のような文言に興味を惹かれる方は多いのではないでしょうか。
- アットホームで働きやすい会社
- 若手社員が絶賛活躍中
- 未経験からでも年収1000万円
- 私らしく働けるやりがいのある仕事 など
アットホームというと聞こえはいいですが、他にアピールするような特徴がない会社が使っているケースが多々あります。
また、営業職の募集でありがちなのが、レアなモデルケースを例に出し、誰でも稼げるような誤解を与えて未経験者を募る方法です。
基本的に営業職は歩合給ですので、成果を上げれば稼ぎは増えますが、そのためには休日を犠牲にしてでも働かなければいけません。
また、給与を見る際には、基本給だけでなく残業代などの各種手当、休日についてもチェックしましょう。
固定残業代が支払われている場合は、何時間分なのか、給与に含まれていないか確認してください。
給与に固定残業代が含まれると記載があれば、その金額を除いた分が基本給です。また固定残業時間分を見れば、最低でもその時間の残業があると判断できます。
面接で聞いてはいけない質問をしてくる
面接では採用担当者が応募者の緊張をほぐすため、良かれと思って業務に関係ない質問をする場合がありますが、実は聞くこと自体問題がある質問も…。
以下に挙げた質問は、人権侵害・差別として違法となる可能性があります。
質問するのがまずい内容 | 例 |
本籍地・住まいに関して | ・本籍地はどこですか?
・○○市のどのあたりに住んでいますか? |
家族の収入や職業などについて | ・お父さま(お母さま)はどちらで働いていますか?
・ご家庭は裕福でしたか? |
思想・宗教・信条・支持政党について | ・信仰している宗教はありますか?
・○○党についてどう思いますか? |
結婚や出産について | ・今後、結婚(出産)する予定はありますか? |
女性の場合、結婚や出産予定について質問をされた経験をもつ方は多いと思います。
このような質問を平気で行う会社は、法律を守る意識が低いといえ、働きやすい環境が整っているとはいえないでしょう。
内定承諾・入社までの期間が異様に短い
内定承諾・入社までの期間に余裕がない場合は、応募者に考える暇を意図的に与えないようにしている可能性があるので注意が必要です。
内定承諾の期間は、他応募者の選考との兼ね合いを考えれば、最低でも1週間くらい空くのが普通でしょう。
ですが、時間を与えて自社の情報を調べられると困るような企業では、即日の対応を求めてきます。
また、入社期間も同様で、明日からすぐ働き始めてくれといった対応は、普通の会社ならまずしません。
応募者だけでなく、会社も入社に向けて書類などの準備が必要なためです。
もし、あまりにも短い期間での内定・入社承諾を求められた場合には、待ってもらうようお願いしてみましょう。無理だと答える企業への就職は避けたほうが無難です。
雇用契約書の内容が求人票と異なる
入社するにあたり、会社から雇用契約書(労働条件通知書)が提示されますが、求人票の内容と異なった点はないか確認しましょう。
求人票と異なる条件の契約を会社が提示しても、すぐさま違法となるわけではありません。応募者との間に変更の合意があれば、問題はないのです。
しかし、応募者との間に合意があったといえない場合には、求人票の内容で契約が成立すると考えられています。
また、中には雇用契約書の提示がないまま、働かせるような企業もあるようです。
賃金や労働時間などについては、書面での明示が義務付けられているため、雇用契約書を提示しない会社では働かないほうがよいでしょう。
ホワイト企業と呼ばれる会社に多い特徴
ブラック企業の見分け方も気になりますが、他方でホワイト企業の特徴というのも知りたいですよね。
この項目では、ホワイト企業に多い特徴を紹介します。
社員に残業をさせない
ブラック企業では当然の残業も、ホワイト企業の場合は勤務時間内で終わらせるように、社員のマネジメントを行っています。
まず、勤怠管理がしっかりとしている会社では、上司の許可がないと残業ができません。
仮に許可を得たとしても、長時間の残業とならないように、特定の時間でパソコンの電源が切れるように設定されている会社もあります。
また、部下の仕事量に偏りが出ないよう、適正に割り振るのも上司の役目。
「業務量は変わらないけど、残業だけ減らせ」といった理不尽なしわ寄せを受ける心配がありません。
風通しの良い職場である
就職する上では、事業内容だけでなく、職場の風通しがよいかどうかも重要ですよね。
社員の満足度が高い会社では、周囲と円滑にコミュニケーションができ、自らが率先して仕事ができる環境が整っています。
反対に、典型的なトップダウン型の会社では、自分の意見を言うことができません。ただ与えられた仕事をこなす日々に、お金のためだけに働いている気分になりがちです。
風通しが良いかどうかを外部から確認するのは難しいため、面接時に各社員の対応や雰囲気を見ておきましょう。
休みを取りやすい体制が整っている
有給休暇も含めて、休みやすい環境が整っているのもホワイト企業の特徴といえるでしょう。
急な休みや長期休暇などに対応するためには、周囲に休むことへの理解がある、フォローできる体制が整っている、各々の業務が共有されているなどの環境が必要となります。
そのような労働環境が整っているとなると、ある程度規模が大きい会社に限定されてしまうかもしれません。
また、年間休日数も会社によってかなり差が出るので、チェックしておいたほうがよいでしょう。
土日だけが休みだと年間休日が105日前後、祝日やお盆、年末年始も含めた場合は120日を超えます。
週休2日で働き続けるのは結構大変なので、年間休日も入社前に確認しておきましょう。
求人探しをする際の注意点
求人探しをする際に、労働条件や待遇面ばかりを意識してしまうと、結果として満足いかないケースが多いといえます。
確かに、給与や休日などは働く上で大事ではありますが、あなたが仕事先に求める最優先事項は、本当にそうした待遇面なのでしょうか。
もちろん、お金のためと割り切って仕事するのもアリです。ですが、1日の1/3以上を仕事に費やしていることを考えると、自分がやりがいを感じられることに取り組むほうが良いかもしれません。
面倒な作業をやるのは嫌だと思いますが、妥協せずに自己分析をきっちり行い、自身の内面を深掘りしていきましょう。
万が一ブラック企業に入社した際にすべきこと
どれだけ気を付けていても、就職(転職)先がブラック企業だと見抜けない場合もあるため、万が一入社してしまった際の対処法を身につけておいて損はありません。
ブラック企業に入社してしまった場合は、以下の点を意識して行動しましょう。
- 辞めるための準備をすぐに始める
- いざという時のために証拠を集めておく
- 退職届を作成する
- 労基署や弁護士などに相談する
ブラック企業での働き方に慣れてしまうのは「百害あって一利なし」です。「最低でも1年は働かないと」などとは考えず、短期離職のリスクがあっても、すみやかに仕事を辞めましょう。
ブラック企業では、退職時にもめるケースが多いので、有利に交渉が進められるように、証拠を集めておくことも大切です。
どうしても辞めさせてもらえない場合は、労働基準監督署や労働局、弁護士などに相談に行きましょう。
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まとめ
ブラック企業の兆候は、入社する前でも感じ取ることは可能なので、求人探しをする際の安易な妥協は禁物です。
気になる会社がブラック企業じゃないか見分ける場合は、以下のポイントを重点的にチェックしましょう。
- 企業名でエゴサーチをする
- 口コミサイトを確認する
- 就職四季報で有給休暇の消化率をチェックする
- 求人情報の記載内容があいまいである・良い言葉ばかり並んでいる
- 面接で聞いてはいけない質問をしてくる
- 内定承諾・入社までの期間が異様に短い
- 雇用契約書の内容が求人票と異なる
従業員を使い捨てにするブラック企業への就職はもちろん避けるべきですが、ホワイト企業で勤めることが正解ともいえません。
どんなに待遇が良く働きやすい職場であっても、あなたがやりがいを感じる仕事かどうかは別問題です。
自身が仕事に何を求めているのか、自己分析で深掘りすると、満足いく結果が得られやすくなるでしょう。
自己分析をしていくうちに、自分にとって大事なことが何なのか、分からなくなってしまう方も多いのではないでしょうか。ある程度の方向性が決まっても、本当にこれでいいのかどうか、自身が持つ知識や経験だけでは判断が難しい場合もあります。
自分自身の決断が正しいのかどうかわからないのであれば、転職エージェントに登録することをおすすめします。転職のプロであるキャリアアドバイザーとのカウンセリングを通すことで、より自分の目的がはっきりするはずです。
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